梶川康平 / Kohei Kajikawa (東京大学)
[Webサイト]2019年 東京大学 教養学部卒業。現在、同大学院 修士課程2年。人間は文理解の際に文法知識をどのように使っているのか、そして、そうした文法知識がなぜ今ある形になっているのか興味があります。
概要
自然言語には数多くの普遍的な現象が存在しますが、それらはなぜ存在するのでしょうか。一つの説明は、「普遍性は効率的なコミュニケーションの実現の結果である」というものです。この効率的なコミュニケーション仮説は、情報理論や言語処理技術の進展により、語彙や文法における普遍性の計算機上での検証が進みつつあります。一方で、理論言語学者の中には、文法が持つ「構造依存性」(階層構造依存な性質)は、コミュニケーションには還元されない、言語固有の知識であるという主張があります。では、構造依存性は本当に効率的なコミュニケーションの観点から説明することができないのでしょうか?
本トークでは、この長年の議論に挑むべく、等位接続構造に注目し、構造依存性がコミュニケーションの効率性から説明可能であることを示す研究を紹介します。
※トークは日本語です。