永田亮 / Ryo Nagata (甲南大学)
[Webサイト]1999年明治大学理工学部卒業,2005年三重大学大学院博士後期課程修了.兵庫教育大学助手,甲南大学知能情報学部講師を経て,2012年より甲南大学知能情報学部准教授.2016年より理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員,2017年より科学技術振興機構さきがけ研究員(2021年まで),2021年より産業技術総合研究所人工知能センター客員研究員を兼務.なぜ言語が理解できるようになるのかと外国語学習に興味があり,関連した自然言語処理および計算言語学の研究に従事.特に,言語現象のモデル化,文書の自動添削,解説文の自動生成,計算科学と言語学の融合に積極的に取り組む.最近では,スポーツ用AIの研究にも取り組む.
概要
本トークでは,ACL2025で発表した「A New Formulation of Zipf's Meaning-Frequency Law through Contextual Diversity」の技術的なポイントを解説しつつ,本研究に至った経緯をお話します.この研究は私にとってちょっとした冒険のようであり,様々なイベントがいろいろな場所で起こり,それぞれが一つに集結して完成しました.技術的な面として,語義の多様性が言語モデルから得られる単語ベクトルのノルムという非常にシンプルな量で測定できることをお話しします.また,この量を通じて単語の頻度と語義の多様性の間にべき乗則が見られことを示します.更に,このことがZipf(1945)の意味頻度法則とHarris(1954)の分布意味論とを関連付けるという言語学的な意味があることも解説します.
※トークは日本語です。